導入事例
「日々の行動を意識化することが、感染対策につながる」イー・アンド・エム株式会社
「健康安心コネクト」は、まず開発元であるイー・アンド・エム株式会社(以下、当社)のグループ会社内で試験導入されました。
今回は当社の健康安心コネクト運用事務局の運用担当である管理本部甲斐本部長に、導入秘話をインタビューいたしました。
遠隔地で働く社員をどう守るか
―イー・アンド・エム株式会社の会社概要を教えてください。
甲斐 当社は1979年創立の独立系ソフトウェア開発会社です。イー・アンド・エムの社名は「ITと人間社会の調和」という意味から由来しています。世界的なトップメーカーと戦略的なパートナーシップを結び、常に最新技術を取り入れながら、業種・業態を問わず時代の先駆けとなるシステム開発を次々と手がけています。
―社内での役割を教えてください。
甲斐 管理本部の本部長として、人事総務、財務、リスク管理など会社内部のことを統括しています。労務管理の責任者でもあるため、社員の健康を確保し、働きやすい環境を作ることがミッションだと考えています。
新型コロナウイルスが流行しだしてからは、新型コロナウイルス対応の責任者としてガイドラインの制定、緒制度の整備、社員の健康情報の管理などを行っています。
―新型コロナウイルスの対応をする中で、抱えていた課題はありますか?
甲斐 当社は高いセキュリティが求められるシステム開発という業種柄、自社のSE(システム・エンジニア)がお客様先に常駐していることが多く、お客様都合で在宅勤務ができない場合もあります。また私自身が宮崎で勤務していることもあり、いかに遠隔地の社員の健康状況を把握し、拠点間の情報共有をするのかが大きな課題でした。
日々の行動を意識化することが、感染対策につながる
―健康安心コネクトを導入するにあたり、苦労したことはありますか?
甲斐 会社として新型コロナ対策に対してどのように対処するかそのノウハウがなかったことです。当社はシステム開発に関してはプロではありますが、新型コロナ対策として社内でどのような情報共有を行うべきか、発生事象に応じてどのような対処をするべきか、専門的な知識やノウハウを持っていませんでした。
実際にシステムを導入して様々なケースに対応する中で、「こういう状況の場合にはこう対応する」という試行錯誤を経てケーススタディができていきました。
―健康安心コネクトをどのように活用していますか?
甲斐 社員と当社に出入りするパートナー社員には、毎日出社前にスマホかPCから健康状態を登録してもらっています。ここで体温や体調の異常が登録されると、管理者にアラートが通知され、すぐに自宅待機の指示を出すというルールになっています。
実際、社員の同居人の方が高熱を出してPCR検査を受けたことがありましたが、その際も健康安心コネクトを通して情報が伝達され、すぐに自宅待機の指示を出すことができました。社員にとっても健康安心コネクトに登録をするだけで全ての関係者への連絡が完了するため、負担が少ないのではないかと思います。
また、万が一新型コロナウイルス感染者が発生した場合は、前日の行動記録を本人に参照してもらうことで、濃厚接触者や感染ルートの割り出しを速やかに行い、クラスター化を防ぐ対応を行う想定です。
職場でのクラスター化を防ぐことができた
―導入後の成果について教えてください。
甲斐 実際に社内で新型コロナウイルス感染者が発生した際、職場でのクラスター化を防ぐことができました。健康安心コネクトの「前日の行動記録」をたどることで、すぐに濃厚接触者や感染ルートの割り出しができたことが一因だと思います。
また、健康安心コネクトのおかげで社員の感染対策への意識が高まっているとも感じます。私自身、毎朝出社前に前日の行動を振り返ることが習慣化されたことで、自分の行動をより意識するようになりました。無意識だった日々の行動を意識化することが、感染防止対策に有効的に働いているのではないかと思います。
―導入してみた感想をお聞かせください。
甲斐 個人的な感想ですが、新型コロナウイルスを社内に持ち込まない、職場クラスターを発生させないための仕組みがしっかりあることで、会社ではウイルスをもらう可能性が低いだろうという安心感があります。このような仕組みを作ることは、会社組織を守るだけでなく、社員一人一人の安心にもつながっているのだと感じました。
―どんな方に健康安心コネクトをおすすめしますか?
甲斐 当社のように社員が遠隔地で勤務するケースや、在宅勤務ができないケースがある場合には健康安心コネクトが有効なのではと思います。
また私たちのように社外の方々と共同で開発プロジェクトを行うことが多い企業では、感染者が発生した際に、お客様やパートナー企業の皆様へ速やかに説明できる体制が必要だと思います。
健康安心コネクトはスマホやPCさえあれば誰でも簡単に利用できるのがメリットです。IT業界に限らず、飲食業、サービス業など幅広い業界で利用いただけるのではないでしょうか。
今後の健康安心コネクトの活用について
―今後の目標や方針を教えてください。
甲斐 引き続き社員の感染防止対策を徹底すること。そして感染者が発生した場合は、職場クラスターを最小限に抑えることが目標です。それが、会社の運営に影響を与えないことにもつながると考えています。
―今後、健康安心コネクトに求めることはありますか?
甲斐 実際の運用を通して得られる貴重な情報を見逃さず、システムの改良改善に役立てて行きたいと思っています。社員の新型コロナウイルスの感染が発生した時、情報共有ツールから得られる情報を基に適切な初動判断ができ、感染クラスターが防げることを期待しています。